香りを学ぶことは、
自分自身をより深く知ること
子どものころから、人を笑わせることや人前で何かをするのが好きでした。特にお芝居に興味があったので、街でスカウトされたとき「チャンスかな」と思ってこの世界に飛び込んだんです。Candy Boyはフレンチをテーマにしたエンタテインメント集団で、営業中のカフェを舞台にお芝居、ダンス、歌などのパフォーマンスでお客さまに楽しんでいただいています。ファンの方はSNSなどで公演予定をチェックして来てくださいますが、知らずにカフェに来店された方は、突然始まった僕たちのショーに驚かれることも(笑)。そうした即興の要素も楽しんでもらえれば、と思っています。
Candy Boyメンバー(中央が奥谷さん)
メンバーは一人ひとり“特技”を持っていて、僕の場合はアロマとコーヒーが強み。もともと鼻が敏感で、中学、高校と続けていたバスケットボール部の部室にユニフォームや着替えが散らばっていても、誰のものか匂いで分かったほど(笑)。だから繊細な香りの違いがキーとなるアロマやコーヒーについて学んでいると、自分でもまだ気づいていない能力や感覚が呼び覚まされる気がして……。「もっと知りたい」と思い、どんどんはまっていきました。
知識がつながって、
パフォーマンス力もアップ
アロマテラピー資格の勉強を通して、歴史上の人物とアロマにまつわるエピソードや、昔の人々がどんな風に暮らしの中にアロマを取り入れてきたのかを知り、本当に奥が深いなと感じています。フランスは香りの文化が深く根付いているので、フレンチをテーマに活動してきたCandy Boyの経験とアロマの知識がつながる瞬間も。それがパフォーマンスにもいい影響を与えてくれていると思っています。資格を取得してからは、「この小さな精油瓶の中には植物のすごいパワーが入っているんだな」と、ちょっと値段が高くても納得するようになり、より一層大切に扱うようになりました。
好きでよく使う精油は、ベルガモットやレモングラスなどの爽やかな香り。寝室ではスイートオレンジを香らせると、気持ちが落ち着きよく眠れます。「よし、これから仕事を頑張るぞ」というときは、グレープフルーツ精油で気持ちを切り替えて。グレープフルーツ精油には光毒性※があるので、外出前には肌につかないように気をつけながら香りを楽しんでいます。こうした知識も資格の勉強をしたからこそ知ることができたので、正しい知識を持つことは大切だなと改めて思いますね。
※光毒性…(一部の精油などに含まれる)特定の成分が紫外線に反応して色素沈着(シミ)や炎症など皮膚トラブルを起こすこと。
アロマでチャレンジしてみたい、
あんなこと、こんなこと
カフェでパフォーマンスする際、僕が香りで空間をプロデュースすることもあります。お客さまの顔を思い浮かべながら、どんな香りが盛り上がるかなと考えるとワクワクしますね。以前、僕に初めてアロマのことを教えてくださった講師の方が、「壁に貼られた写真からインスピレーションを得て香りで表現する」という個展を開催されていて、とても興味深く感じたのを覚えています。僕も写真を撮るのが好きでSNSにアップしているので、いつか写真とアロマを組み合わせたインスタレーションなどにも挑戦してみたいです。
また、アロマとスポーツの組み合わせにも大きな可能性を感じています。僕自身、学生時代に選手としてバスケットボールの試合に出ていたとき、筋肉のクールダウンによくマッサージをしてもらっていました。そうしたケアにアロマが加われば、よりよいパフォーマンスにつながると思うんです。現在、当時のバスケ仲間のひとりが日本代表として活躍しているので、機会があれば、アロマを通して大好きなバスケットボールと関わって選手を支える活動もしてみたいですね。
そんな夢や想いを実際に形にしていくためには、アロマの勉強も経験も、まだまだ足りないと感じています。僕のインスタグラムやブログを見てアロマに興味を持つファンの方もいらっしゃるので、これからもみんなと一緒に学び続けて成長していきたいです。