海外生活で身に付いた、
新しい基準や価値観
イギリスに留学していたときのことですが、ロンドンのスーパーでパンを買うと3日も経たないうちにカビが生えてしまうんです。お肉も、日本で買うときよりにおいがきつくてはじめは苦手でした。でも、現地に長く暮らす方から「食べやすくて長持ちする食材は、それだけ加工がされているんだよ」と聞いて、食材選びの意識が変わりましたね。これまで当然のように安心、安全と思っていた食べ物でも、添加剤を多く含んでいたり、薬品で処理されて市場に流通しているものもあると気づいて。生きものをいただく、という意識で食材に目を向けると、自然のままのにおいや触感が“あるべき姿”なんだという当たり前のことを実感したんです。それ以来、口にするものや肌に触れるものに気を配るようになり、買い物をするときは、値段や利便性ではなく“自分が本当に必要としているもの”を基準に考えるようになりました。
本能を刺激する、アロマ
帰国してからは、モデルをやりながらライターとして美容などの記事を書いています。ある女性誌から美容コラムの執筆を依頼されたときは、ロンドンで暮らした経験も踏まえてオーガニックなものを発信していきたいと思い、企画、構成、取材もすべて自分でこなしていました。オーガニックコスメの専門家に取材したとき、「嗅覚は本能で異性を選ぶときにも重要な感覚。嗅覚を鈍らせると、出会うべき相手(異性)に出会えない」という話を伺い、それは大変だと(笑)興味を持ちました。香りについてもっと知りたいと思い、アロマテラピーの勉強をはじめたんです。いまでは日々の小さなストレス解消から、仕事現場でのセルフコントロールまで、さまざまな場面でアロマを活用しています。
体験を共有するうれしさと、
発信することへの責任
はじめはお風呂に入れるくらいしか思い浮かばなかった精油の活用法も、学ぶうちに、「生活の中に取り入れられる瞬間ってたくさんあるんだな」と気づきました。例えば、私は肌が敏感になっているときカモミール・ローマンの芳香蒸留水にペパーミントの精油を混ぜたローションを塗ると、驚くほど和らぐんです。また、モデルやテレビの仕事で周りの空気に飲まれそうになったときは、お気に入りのフランキンセンスを嗅いで落ち着きを取り戻したり。ちょっとした不調の時は薬に頼るよりも、まずは香りでケアをするという自分の体験や、アロマの簡単な活用法をトークショーなどで紹介するとすごく反応があって、「みんな意外と知りたいと思っているんだな」とうれしくなります。同時に、表に出て伝えることの影響力に責任を感じ、より確かで役に立つ情報を発信できるように、いまアロマテラピーインストラクター資格にも挑戦しています。
環境のことを考えたら、
心地よい暮らしが見えてきた
もともと環境保全に携わる仕事がしたいと思っていて、大学では農学部に進みました。在学中にスカウトされてモデルになったので、いまはモデルという立場で環境に関わりたいと思っています。私が物を書いたりテレビに出て、アロマやオーガニックコスメについてどんどん発信することで、少しだけ環境のことを考える人が増えたり、環境のために何かをはじめるきっかけをつくれたらいいなと思っています。
ヨーロッパを旅すると、アロマテラピーやハーブはもっと身近で、毎日の生活に溶け込んでいるように感じます。フランスではビオのマルシェや、オーガニックコスメを扱う店がコンビニのように身近な存在で、年齢も性別もさまざまな人が利用していました。「エルボリステリ」と呼ばれるハーブ薬局では楽しくおしゃべりしながらハーブを調合してくれたり……そんなライフスタイルを実現できる日が、日本にも早く来るといいなと思っています。
※個人の感想であり、効果・効能を示すものではありません。