病院とは違うアプローチで
患者さんと向き合う
接骨院を訪れる患者さんはさまざまで、捻挫や打撲など外傷を負った方もいれば、原因は分からないけれど肩や腰の痛みを訴えて来られる方もいます。私たちは医師ではないので、病名をお伝えすることやレントゲン撮影をすることはできませんが、身体の負担を軽くするとともに、痛みによる辛さや不安を取り除いてあげられればという思いで、患者さんと向き合っています。15分くらいの保険診療で帰られる方もいれば、自費診療でじっくり治したいという方もいます。病院などでは診療システムの都合上、短時間で症状を聞いて、即座に判断を下し、薬を処方するという流れができあがっていると思いますが、ここでは患者さんの選択で納得するまで話を聞くこともできますし、そういった気持ちに寄り添うことも診療の一部だと思っています。
資格に支えられて
振る舞いにも自信が持てる
医療の現場では、基本的に疾患を持った方がいらっしゃるということを踏まえ、ご本人が希望されたとしても、アロマの使用は特に慎重に行います。また、他にも患者さんがいらっしゃるという点に配慮し、アロマディフューザーは使用せずに、ティッシュペーパーに垂らしてベッドの脇に置くなどして部屋に充満しないようにしています。気をつけるべきことを先回りして考え、何か様子がおかしいなと思ったときには迅速かつ適切に対応する。そのための知識を持っていることは大前提ですが、きちんと資格を取得しているという気持ちの支えがあると、落ち着いて振る舞うことができますし、患者さんの安心にもつながりますよね。
どこで学び、どんな資格を
取得するかも重要な選択だった
以前、医療の分野に特化したアロマテラピーの知識を身につけようと思い、そういったセミナーに足を運んだこともあったのですが、特定の分野だけを掘り下げるよりも、全体との関わりの中でアロマテラピーを学びたいと考えるようになり、AEAJの資格を選びました。AEAJ認定のアロマテラピーインストラクターやアロマセラピストになるためにはスクールに通わなければならず、時間をつくるのがなかなか大変でしたが、そこで理論だけでなく、精油の扱い方をはじめあらゆる実践的な体験ができたことは、今になって活きていると思っています。独学での思い込みや自己判断だけでは、思いがけない事故を招く恐れがあります。アロマテラピーを仕事に取り入れていく上で、どのような資格を取得するかは、重要な選択だったと思っています。
いつか、これまでの学びが
つながるようなサロンが開けたら
ここ(鍼灸接骨院)ではいろいろなニーズの患者さんに出会えるので、とても勉強になっています。ただ、アロマテラピーに関して言えば、ひとりひとりにじっくり取り組むということが難しいので(ディフューザーを使えなかったり、設備が不十分だったりするため)、いつか本当に落ち着いた時間を提供できるようなアロマテラピーをやってみたいという気持ちはあります。音楽や照明なども考慮したトータルコーディネートでアロマテラピートリートメントをして、終わった後は自分で育てたハーブでお茶をいれたり、ゆっくりくつろいでもらえるようなサロンをつくれたら。もちろん鍼灸も取り入れます。そうしていつか、これまでの学びや経験がすべてつながっていけば良いなと思っています。