アロマと出合い、新しいビジネスを
思い立つまで
知人のすすめでアロマテラピーに興味を持ち、ある日初めてアロマセラピストの方にトリートメントしていただいたとき、その心地よさに大きな安らぎを感じて涙が出てしまったのです。北海道から上京し、慣れない満員電車やオフィスでの事務仕事で、知らず知らずのうちにストレスを溜めていたんだと思います。自然の香りに触れる懐かしさやうれしさに、心と身体が反応して「これしかない」と感じました。そこからアロマセラピストを目指し、資格を取得したあとは知り合いの方を対象に自宅でサロンを開いたのですが、そこでの対話を通じて、現代の仕事や生活環境では「脳」や「眼」に疲れが溜まりやすいということに気づきました。これからそうした人はもっと増えるだろうなという直感があり、そこで「頭に特化したサロン」を立ち上げたいと思うようになったんです。
「心にも身体にも」
働きかけることを大切に
まずは、ヘッドマッサージの開発にとりかかりました。筋肉や骨格に働きかける手技中心のものや、優しいタッチングでヒーリングを促すものなど、いろいろなヘッドマッサージを試しましたが私にはどれも物足りなく、アロマトリートメントのような「心にも身体にも」という充足感がありませんでした。そこでアロマテラピーの知識や経験を踏まえ、オリジナルのヘッドマッサージを考案し、このサロンをオープンしました。
お客さまが「心地いい」と感じるのは、技術に満足したときだけではありません。心からリラックスしていただくプロセスも重要で、そこにアロマは欠かせません。例えば、カウンセリング時の緊張が少しでも和らぐように、また、施術を終えて覚醒するときにもアロマを効果的に用いて、他のサロンでのヘッドマッサージでは得られない体験を提供できるように心がけています。お陰さまで、大変多くの方にリピートいただいています。
気持ちまで伝わる
ハンドトリートメント
現在サロンの経営と並行して、官公庁から委託を受けてアロマテラピーのワークショップを開いたり、企業向けにヘルスケア講座を行ったりもしています。そうしたときは、アロマテラピーインストラクターやアロマハンドセラピストの資格が役立っています。育児中のお母さん向けに、パートナーとペアでお互いにハンドトリートメントをしていただくワークショップを行ったときはとても好評で、体験した後にご自身でアロマハンドトリートメントの資格を取られた方もいらっしゃったんです。ご夫婦で参加した方からは、「普段はなかなか気づけない相手の優しさを感じられて、とても良かった」という、うれしい報告もいただきました。
資格が信用となり、
資格につながっていく
サロンに来ていただくお客さまからのご要望で出張講座を開いたり、事業をやられている方や、専門的なお仕事をされている方とコラボレートする機会もあります。そうやって新しい仕事を生み出せるのも、公益法人というきちんとした団体の資格を持っているからこそだと思っています。個人事業主という立場では、ひとつひとつの資格が信用につながりますので、資格取得は大きな武器でもあります。
また私の場合は、「全体を見て改善していこう」というホリスティックな視点や、個人個人に合ったソリューションを見つけていこうという、アロマテラピーで学んだ考え方が軸になっており、仕事の幅を広げるときにはこうした“軸”があることがとても重要なのだなと日々実感しています。