「誰かを幸せにする仕事がしたい」
が、私の仕事の原点
もともとは建築事務所で都市デザインの仕事をしていましたが、父の介護をきっかけに仕事を辞め、父に何か気持ちのよいことをしてあげたいと思っていろいろと考えている中で、アロマテラピーに出合いました。その時は仕事にしようと思ったわけではなくて、ただ父の喜ぶ顔がうれしくて。 建築をやっていた時も、漠然と誰かを幸せにする仕事がしたいというのがありましたが、アロマテラピーを勉強するうちに、そうした私の根本にある想いと、アロマテラピーの社会における存在意義(=人を幸せにする)が重なって感じられました。香りの世界に触れる中で自分自身も豊かになれましたし、植物や健康のことを考えることが私にとてもフィットしたんです。
アロマテラピーの魅力で、
人と人を結んでいきたい
アロマテラピーを仕事にしたいと思ってはじめに就職した会社で、精油関連の物流事務をしながら、併設していたアロマテラピースクールの仕事も担当していました。アロマテラピーを教えるという仕事を間近で見ていて、アロマテラピーの魅力を人に伝えることの面白さに気づきました。
それから講師を目指して勉強をはじめ、アロマテラピーインストラクターの資格を取ってからは以前勤めていた会社の同僚や知り合いの方からの紹介で講師の経験を積み、今は美容専門学校で学生さんたちにアロマテラピーの授業を行っています。
また、カルチャーセンターや子育て支援センターでも教えています。授業のあとで生徒さんたちから、これまで気づかなかった生活の中の香りにふと足を止めたり、家族の中で香りの会話が弾んだなどという報告をいただいたりすると、私の授業をきっかけに小さな幸せの種があちこちで芽吹いているんだなととてもうれしくなります。
伝えたい人に、どうしたら伝わるか
を考えながら教えています
教える立場になって、分かりやすく教えることの難しさに気づきました。また、テキストにアロマテラピーの安全性や注意を促す文章が出てくると、皆そちらに気を取られてしまって、肝心の楽しむことを忘れてしまうんです。
私は、「学校に来たからアロマテラピーをやる」のではなくて、学校をきっかけとして日常生活でアロマを活用して欲しいので、安全性や注意事項も大切ですが、こうしなければダメとか、これがないと出来ない、という伝え方は極力避けるように心がけています。
精油は薬ではないけれど、心身に直接作用するものなので、いい加減に教えられるものではないということは常に頭に置いています。精油のことだけでなく、最新の化学についてなども知っておく必要があり、知識のアップデートも大変ですが、無理に「覚えなくては」と思う前に、一番伝えたい人にどうやったら伝わるかな、と考えるようにしています。アロマテラピーと生活の接点を考えながら日々過ごしていると、自然と教えたいことがたくさん出てきて、自分自身も楽しみながら覚えたことを教えられるように、心がけています。