山に登るようになってから、
アロマの魅力を再発見
アウトドアの魅力に目覚めたのは、勤めていた会社を辞め、しばらくひとりで日本中を旅した後、アウトドアショップでアルバイトを始めてからでした。休みの度に山へ登ったり、天体観測のために何日もキャンプをしたりしました。その頃アウトドア雑誌のライターの方と知り合い、取材のお手伝いをするうちに「記事を書いてみない?」とすすめられたのがきっかけで、アウトドアライターとしての一歩を踏み出しました。時には1週間もテントを張って山で寝起きするのですが、なかなか眠れないこともあって、ラベンダー精油を枕元で香らせて眠りを促していました。会社勤めで多忙を極めていたときにアロマテラピーと出合い、以来リラックスしたい時やストレス緩和のために精油を活用していましたが、山に登るようになってからはアロマテラピーがアウトドアにも役立つと気づいたんです。
山での経験を
「人に伝える」ことが楽しくて
山は街よりも標高が高く紫外線が強いので、日焼けした後は炎症を抑える作用のある精油を使ったクレイパックで肌をケアしています。また、長時間歩いて蒸れてしまった登山靴の中に重曹と精油を混ぜてつくった消臭シューキーパーを入れておくと、靴へのダメージを減らせるし、いやな匂いも消え、アロマによって気分もよくなるんです。
そんなふうに、アルバイトをしながらアロマを持って山に登り、時々記事を書くということを続けるうちに、「人に何かを伝える」ことが楽しくなり、仕事にしたいなと思うようになりました。ライターとして本格的に独立しようと考えたとき、経験から感じたアウトドアとアロマテラピーの接点を説明するにも「きちんと人に伝えることができる」レベルまで高めなければと思い、アロマテラピーインストラクターの資格を取りました。
お客さまはもちろん、
ショップも喜ぶアロマ企画を
アウトドア関連の野外イベントに参加してアロマのワークショップを開いたり、アウトドア業界の会合に顔を出したりして、少しずつ人の輪を広げていきました。いろいろなところで「アロマを取り入れたアウトドアスポーツの楽しみ方」について話を切り出したり、知り合いになったアウトドアショップのオーナーに、お店でできるアロマ講座の企画を持ち込んだりしました。アウトドアショップでの販売経験を活かして、ショップの製品をうまく活用しながらアロマテラピーと絡めてお話しすると、ショップの方にもとても喜ばれます。そこからまた次のコラボレーション企画が生まれたり、新しい機会に繋がっていきました。
アロマテラピーが好きな人にも、
山の魅力を伝えていきたい
こうした経験をもとに、「山で使えるアロマの知識」というテーマで、いままさに記事を書いています。これから本格的な山のシーズンを迎えるにあたり、企画と執筆を任されているウェブ媒体で、山で役に立つ、手軽に活用できるアロマの使い方を少しずつ紹介していこうと考えています。
私はこれまでアウトドアが好きな方にアロマテラピーの魅力を伝えてきましたが、きっと逆もあると思うんです。アウトドアの視点、アロマテラピーの視点の双方から、自然や植物の持つ魅力について語り合うことができたら、きっと共感し合える部分があり、新たな気づきが生まれるでしょう。そんな2つの世界の橋渡し役を、いつかできればいいなと思っています。